CASE STUDY導入事例

CASE 1 医療法人 白百合会 市原鶴岡病院 旧ベネフィックスでの導入事例

Process 導入経緯

情報共有のスピードと伝達の正確性、さらに医療の標準化に備えた体制作りも課題

 当院は大多喜病院を母体として1970年に開院し、長年にわたり地域の医療サービスの充実に努めてきました。建物自体が40年を経て老朽化しておりましたので、改築計画が持ち上がった際に兼ねてから課題となっていた病院システムの本格的な電子化を検討することとなりました。
 具体的な課題となっていたのは、各部門間での情報共有のスピードと、情報伝達の正確性。広い病院内では各種検査データなどの運搬に時間がかかるほか、医師は精神科特有の書類作成も多く、手書きの書類作成では、診療以外の業務負荷が高い状況でした。とくに精神科の場合、扱う薬の数や量も多く、手書きの処方箋では、お薬の投与量チェックなどの難しさも有り、薬局、医事課での2重入力による入力ミスの予防と業務の軽減、並びに、医師の入力データと連動した、情報の有効活用を行いたかった。
 また患者様が、夜間・休日などにサテライトクリニックに通院された際の投薬履歴をはじめとする患者様情報の共有や、クリニックと本院の空床情報の共有など、同一法人内での情報把握を行いたかった。

精神科領域での豊富な実績をもとにシステム面以外でのコンサルティングも

 そんな中、2011年の国際モダンホスピタルショウにて、数々のブースを見学する中で、貴社のシステムは扱いやすく、当院での運用に適しているように感じられました。運用面等においても現場知識含め、精神科病院に精通しており、県内の精神科病院が同社のシステム導入していた実績も踏まえた上で、アドバイザリー契約を交わしました。
 その後、システム導入に向けた計画段階から当院のシステム運用委員会に参加していただき、現場の業務フローや要望を集約しながら最適なプランニングをしてもらいました。また、同時に病院改築のための定例会議にもご出席いただき、他の精神科病院での経験を生かした図面チェックや建築会社との交渉など、システム面に留まらない助言をしていただけたことも大変助かりました。
 このようにして相談を重ねた結果、まずはオーダリングシステムを軸としたシステムを導入することを確定。準備は2012年の11月からスタートしました。貴社指導の下、医事ソフトに慣れるための研修などを行い、12月には受付で運用を開始。そして2013年の年明けから、全体の本格運用が始まりました。準備から運用まで2ヵ月足らずの期間でしたが、同社の的確なスケジュールマネジメントにより、大きな問題もなく現在に至っています。

  • 導入経緯
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Effect 導入効果

スピーディで正確な情報共有が患者サービスの向上にも繋がる

導入から5ヵ月が経過した現時点(2013年5月)においても、既にその効果を実感しています。当初の課題であった情報共有については、PACS連動により、レントゲン、CT、超音波、心電図データのタイムラグのない閲覧が可能に。検査データ運搬にかかる時間や要員が不要になり、院内での業務効率が向上。調剤システムとの連動では、薬を処方する際の安全性を効率的に確保できるようになりました。
 また、法人のIP-VPNを利用したサテライトクリニックとの情報共有も可能になり、空床情報確認や救急時の服薬履歴確認など、両院をまたいで利用される患者様への対応もスムーズに。クリニックとは患者データの相互バックアップも行っており、情報保全体制も堅牢なものになっています。
 精神科では患者様の治療サイクルが長期にわたることも多く、治療に関わる資料が膨大になっていくという傾向があります。今回、その大部分が電子化できたことにより、資料保存に費やしてきたコストも削減していけると考えています。
 電子化のその他のメリットとしては、待合室のモニターを使った診察順番待ち表示、薬待ち番号表示なども挙げられます。これにより患者様は待ち時間を有効に使うことができるので、医療サービスの向上に繋がっているといえます。
 引き続いてシステム運用委員会に参加いただき、運用の中で生じてくる課題に随時対応していただいています。病院の側に立ち、二人三脚で運営をサポートする姿勢は当院にとって大きな助けとなっています。

  • 導入効果

Future Plans 今後の方針

 現在当院は2期工事を継続中ですが、リニューアル後はオーダー種の拡張や給食システム、グループウエアの導入を検討しております。また、2014年には急性期治療病棟や認知症病棟の開設を予定。産業医との連携やストレスケアにも力を入れていきたいと考えています。
 今後もより一層、地域に貢献していけるよう体制もしっかりと整えていきます。そして、そのために必要となる諸々のシステムを一緒に築き上げていきたいと思います。

  • 今後の方針

Future Wish 今後の期待・要望

 当法人のシステム運用委員会に参加いただき、引き続き現場に近い立場でのシステム運用のアドバイスをお願いいたします。これからも共により良い環境を作り出すパートナーとしてお付き合いさせていただきたいと思っています。

  • 今後の期待・要望